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定年後不安

著者 大杉 潤

発行 KADAKAWA

2018年4月17日

コンサルタント、研修講師

(1)人生100年時代の「トリプルキャリア」とは?

一般的に、会社員が60歳定年を迎えた時には、以下の4つの選択肢があります。
  ①定年再雇用 ②出向・転籍 ③転職 ④起業
4つの選択肢の中で、定年起業が意外とリスクが少ないです。他の3つとの大きな違いは、雇われない働き方です。
60歳の定年退職時と75歳前後の計2回の働き方をチェンジして、全部で3つのキャリアを計画的・戦略的に作っていく方法を「トリプルキャリア(三毛作の人生設計)」と言います。
第1のキャリアは、会社員として「雇われる」働き方です。第2のキャリアは、「雇われない働き方」です。第3のキャリアは、仕事・時間・場所・仲間をすべて自分が好きなものに絞り込んで、自由に働く方(理想の働き方)です。
第2のキャリアのビジネスとして、大切なことが5つあります。
 ①「好きなこと」を事業の軸にすること
 ②何で社会に貢献するのか、事業理念を明確にすること
 ③自分だけのオリジナルな価値を提供すること
 ④家族以外を雇わない小規模で事業を立ち上げること
 ⑤借金をしないこと

(2)100年人生の「時間術」

 人生100年時代になって、定年後をどう過ごすかで人生の質が決まります。人生は、後半が勝負です。この時間軸で、65歳と75歳に壁(節目)があります。
 65歳の壁では、定年再雇用での期限が65歳(現在は、法改正で70歳までが企業の努力義務)で、体力的な衰えを感じながら、慣れ親しんだ職場を去る心のショックも重なって、健康を損なう人も多いです。また、この年齢から新たな仕事を見つけるのはハードルが高いです。
 もう一つの75歳の壁では、後期高齢者となり医療費が急激に増える年齢であり、健康面が生活のネックになってきます。この壁は、体力・健康面から生じる移動距離の壁と言えます。
 45歳の転換期と55歳の役職定年のタイミングで、この二つの壁を乗り越える準備をします。45歳は、会社でのゴールが見えてくる時期です。45歳からの時間術として大切なことは、第一に、会社(仕事)第一だった時間の使い方を先の人生を展望して専門性を磨く方向へ切り替えること、第二に、自分が好きな(得意な)ことに関連した専門を絞り込んで磨いていくことです。
 55歳の役職定年では、自由に使える時間が飛躍的に増えます。その時間を活用して最も好きで得意だと感じている専門性に磨きをかけて集大成といえるオリジナルなものを作り上げます。これを部下や後輩に伝承し教えるという出番があります。
 最後に、65歳からも働くために大切なことは以下の3点です。
 ①「人の役に立つ専門性」を磨き上げ、長く続けられる好きなことをする。
 ②変化する社会のニーズに対応できるよう学び続ける。
 ③健康・体力を維持するための生活習慣を確立する

(3)コミュニケーション術、情報リテラシー、健康法

 時間術の他には、定年後の不安を解決するための方法として、コミュニケーション術と情報リテラシーをテーマに挙げています。前者では、サードプレイス(一個人としてくつろげる居心地のいい場所)と呼ぶコミュニティ―持つこと、多様な価値観を受け入れる柔軟思考や質問のスキル、そして相手に見返りを求めず貢献する姿勢がポイントになります。
 後者は、インプットとアウトプットの手法やバランスが重要になります。インプットでは、知りたいという好奇心を持つことが大切で、ワクワクしながらインプットしたものは、頭によく入り、記憶にも定着します。戦略的な情報インプットの観点は、①専門性、②好きなこと、③変化する社会のニーズの三点です。また、インプットだけでなく、アウトプットを行っていくことも、脳を鍛える上では重要です。アウトプットを前提としたインプットしていくことを勧めています。
 最後に、食事、運動、心の健康法が挙げられています。さらに、健康的な生活習慣だけでは不充分であり、よい知的生活習慣を身につければ精神的活力の源となって、人生を豊かにすることができると外山教授の提言を引用しています。

(4)感想

 私も大杉氏がいう定年ひとり起業をしました。この決断をしたのが定年2年前ですので大杉氏の提言のような準備を十分にできませんでした。しかし、今から振り返ると大杉氏が提言している戦略的にキャリアをデザインしていく観点は同じだったと思います。あと3年ぐらい、つまり5年前から準備ができれば、根拠のある自信をもって定年後の雇われない働き方へキャリアチェンジできたと思います。
 人生100年時代を迎え、この時間軸で、人生を俯瞰的に捉えて人生を設計する(キャリアをデザインする)ことが、いかに重要かということを本書から学ぶことができました。
 定年ひとり起業で、定年後不安を解消し、好きなことを仕事にできる楽しさを実現できるように日々精進したいと思います。

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