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「目標が持てない時代」のキャリアデザイン

著者 片岡裕司 阿由葉隆 北村祐三

発行 日経BP

2021年9月8日 1版1刷

(株)ジェイフィール コンサルタント

(1)目標喪失時代のリアル

人生百年時代とコロナショックの地殻変動で、私たちが学んできたキャリアの常識も賞味期限切れになりました。

伝統的組織内キャリア的な発想は、現代の社会ではもはや機能不全を起こしています。個人の内的成功といった主観的な価値観の充足が中核となるキャリアの時代に変わります(プロティアンキャリア)。

目標を喪失をチャンスに変えて、新たな自分の可能性を発見するという限界突破の方法論が、目標喪失時代のキャリアデザインです。

(2)限界突破に向けた4つのステップ

ステップ❶
<キャリアの目的を育てる>
目的を決めるのではなく、育てるという言葉を使ったのがポイントです。
楽しく試行錯誤しなから目的を育てます。

キャリアとは、職業ではなく、「どんな自分でありたいか」です。
キャリアの目的は、「わたしは、いつも~な存在でありたい」を探求して言語化します。

ステップ❷
<体質改善に取り組む>
体質とは、ネットワーカー体質と成長体質です。それぞれの体質の改善が、より良い目標を発見したり、目的を育てるためのカギとなります。

自分で頑張りすぎずに他人の力を借りるためには、自然に多様なつながりが生まれる行動パターンを身につけるネットワーカー体質の強化が必要です。

成長体質とは、絶えず何か新しいテーマを学んでいることが当たり前になっている状態です。しなやかなマインドセットを持つことです。

ステップ❸
<目標をたくさん作る>
目標とは、「大好きなこと、やってみたいこと、難しくて今はできないこと、ワクワクできること」です。

目標の束がつながり、結合することで、皆さんのキャリアは個性化し、本当に自分らしいと思えるキャリアに変化します。

ステップ❹
<キャリアを楽しく実験する>
「キャリア実験」は、新たな視点を発見し枠組みを破壊する、効果的な手段です。

(3)感想

本書の帯に、「キャリアとは職業ではなく、どんな自分でありたいか」というメッセージに惹かれて手に取ってみました。
自分の生き方を問う事であり、キャリアの次元を挙げる、キャリア意識を変える問いかけだと思います。

私は、拙著で「ある・なる・いるの人生設計」を提言していますが、本書のキャリア目的は、拙著で言えばこの「ある」に該当し、自分を俯瞰的に捉えて「どうありたいのか」を問いかけることです。

キャリア目的(どうありたいか)で自分をモニタリングしたり、統制していくことで、ブレない自分軸ができます。その具体的なステップが、本書で提言している限界突破の4つのステップだと思います。

この4つのステップは、今までのキャリアデザインやキャリア理論を塗り替えるようなチャレンジブルな提言だと思います。
世に提言する価値があり、人生の生き方の羅針盤なるでしょう。

限界突破の4つのステップを実行して、自分の未来にワクワクしながら、期待しながら切磋琢磨していきたいと思います。

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