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なぜ 部下とうまくいかないのか

著者 加藤洋平

発行 日本能率協会マネジメントセンター

2016年3月30日 初版第1刷発行

人財開発コンサルタント

(1)成人発達理論とは何か

❶人間は、知識やスキルを獲得することだけではなく、質的な成長を継続的に実現しうる。
❷私たちは成人してから死ぬまで一生成長することができる。
❸「より俯瞰的に物事を見えるようになること」や「自分をより客観的に見えるように
なること」は、成人以降の発達における重要なポイントです。

❹私たちは、各人固有のレンズを通して世界を見ている(世界観)ため、レンズが異なれば、世界の見え方は全く違ったものになります。このレンズを「意識構造」と呼びます。
または、意識構造を器のようなものに喩えることもできます。例えば、「あの人は、人間としての器が大きい」と言います。
❺レンズの質的な差異を「意識段階」または「レベル」と呼びます。意識段階が高くなればなるほど、物事を広く・深く捉えることができるようになります。質的差異がそのまま良い悪いの判断基準に結び付くわけではありません。

❻発達理論の世界では、「私たちは、自分よりも上の意識段階を理解することができない」と言われています。
❼意識が成熟していくと、他者のみならず、置かれている環境なども含めて、私たちを取り巻く曖昧なものをより受容することができるようになります。
❽意識が成長することによって、人としての器の容量そのものが拡大していきます。それに伴って、私たちは多様な知識や経験をそこに蓄えていくことができるようになります。

❾意識構造には、「意味を付与する機能」が備わっています。人間は、意味を構築することを宿命づけられて存在です(キーガン)。
❿人間の意識の成長・発達は、主体から客体へ移行する連続的なプロセスです(主体・客体理論)。ある意識段階から次の意識段階へ移行していけばいくほど、客体化できる範囲が広がり、世界の捉え方が変化していきます。

*主体・客体理論とは
現在の自分の意識段階(主体)を認識することはできず、ある意識段階から次の意識段階に成長することによって、始めてこれまでの意識段階を客体(認識対象)として捉えることができるようになります。

⓫無理に成長・発達を促そうとすると、どこかで成長が止まってしまう(ピアジェ効果)。
⓬状況や文脈(例えば、役割)が変わると意識段階が変化する(これを、発達範囲といいます)。
これは、意識の重心を中心として、状況や文脈、感情状態や役割などの変化に応じて、私たちの意識段階は発達範囲の中に動いていると言えます。重心があるので、極端に意識段階が変わることがありません。

⓭私たちの成長は、「含んで超える」という原則に基づいています。完全に以前の意識段階を捨て去るのではなく、一部の特性を受けながら新しい段階に到達していきます。
⓮人間の成長とは、既知なるものから未知なるものへと至る運動である。
⓯人間の成長は、葛藤を乗り越えていくプロセスである。

(2)成人以降の4つの意識段階について


成人以降には、道具主義的段階、他者依存段階、自己主導段階、自己変容段階の4つの意識段階があります。

発達段階が高度になればなるほど、突きつけられる課題が過酷なものになるため、間違っても、発達することは良いことだと短絡的に考えてはいけません。

(3)感想

成人以降の4つの意識段階で他者依存段階が成人人口の約70%も存在するというのは、衝撃的なデータだと思います。人と組織は変わりづらいとよく言われますが、それを裏付けるデータではないでしょうか。

自己成長には、二つの方向性の違うものがあります。それは、垂直的な成長と水平的な成長です。どちらが正しい(良い)のか間違っている(悪い)のかではなく、この二つの成長が振り子のように振動して、徐々に振り幅が大きくなってバランスよく自己成長していくと思います。

この二つの成長は、上図のように学び方やゴールが全く違います。日本の教育は、知識重視(偏重)の教育なので、人の創造力を引き出す教育への改革が必要だと思います。

では、どのような学習なのでしょうか。それは、経験学習のサイクルを回すことだと思います。良質な経験をして、結果を振り返り(内省)、それを概念化します。概念化とは、自分なりの教訓や持論を持つことです。それをベースに実践します。

これは、具体(経験)→抽象(概念化)→具体(経験)という具体と抽象の循環モデルとも言えるのではないでしょうか

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