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働き方デザイン

著者 大嶋祥誉

発行 2018年6月30日 初版第1刷発行

   日本能率協会マネジメントセンター

 センジュヒューマンデザインワークス代表取締役

(1)働き方デザインをしなければ生き残れない時代

自分で自分の働き方をできるようになれたのは、コンサルティングスキルを磨きながらも、常識にとらわれず、自分軸を徹底して追求していたからです。

「今、生きている」ことにフォーカスして、自分が何をしたいのかを真剣に考え、行動した方がいい。

自分だからできることをやっている。そんな働き方には、後悔なんて微塵もありません。

ワーク・アズ・ライフとして、働くことを、自分の人生でやりたいこと、目指したいことと同一に考えるのが本来の姿です。

どれだけAIの時代になっても、つねに「自分に何ができるか」を自分の頭で考え続けられる人は生き残れます。

自分の働き方を決める4つの質問があります。
❶自分の強み、スキル、得意なものは何か?
❷自分はどんな価値を提供できるのか?
❸自分はどんな進化、成長をしていきたいのか?
❹自分はどんな報酬を得たいのか?

自分の好きがどうしたら生かされるか。自分の仕事の価値が、どうしたら他の人の役に立ち、喜んでもらえるのか。それからが実現できれば、人は自分の人生の意義を感じて幸せだと思う。

(2)働き方戦略はこうしてデザインする

相手の靴を履いて、そこからの視点で自分の価値、強みをバリューに変換できれば、戦略的な働き方デザインができる人です。

複業を検討することで自分の可能性を広げられます。
キャリアの拡散(領域を広める)と収束(スキルを極める)を繰り返します。

自然に湧き上がってくる感情は、自分のナビゲーションになります。凄い人ほど、感情で物事を考えます。

直感的に「これだ!」と感じたものに、とりあえず参加・体験してみます。
物事を身につける際には、焦らずに徹底した反復練習を行います。
働き方デザインで大事なのは、自分の仕事を「しなければならない」で考えるのではなく、「どうしたら楽しくなるか、幸せになるか」で、考えるということです。

何を捨てて、何に集中するのか、何に時間と労力を使うのか、そこを明確にできる人が働き方デザインを無駄なく効果的に実行できます。

働き方デザインをする時に目指すのは、ブルーオーシャンで指名買いされる存在です。
時間を忘れて没頭するもの、他の人がそこまでやらないことでもやってしまうものを持つことも、指名買いされる存在に大きく関係します。

やりたいことからやる、おもしろいからやるというシンプルな動機でやっていることが、リアルにお金を生んでいます。

(3)働き方戦略実現に必要な10のスキル

❶背景読み取り能力
つねに、「本当かな?」「これでいいのかな?」と物事の背景、裏側までしっかり考える。
❷自己肯定力
成功体験を思い出す、積み重ねる。メンターを持つのもおすすめ

❸オタク力
例えマニアックでも、自分が続けられることで人を喜ばせられないか、考えてみる
❹スタートダッシュ力
あまり迷わず、とにかくできることから始めてみる

❺休息力
静的休息と動的休息を使い分け、呼吸を整える
❻振り返る力
自分の振り返りが無意識にできるまで、PDCAを回す仕組みを作る

❼編集力
好きなものを一緒にやる仲間を見つけ、発信する
❽信用力
心から良いと思うものを回りに広め、期待に応え続けることで信用力を作り上げる

❾雪だるま力
小さく始めてどんどん大きくしていく
❿カメレオン力
柔軟に自分の考え方やスタイルを変えていき、変わることを楽しむ

(4)働き方デザインを加速させる思考と行動

最強に解決策は、早く取りかかり、早く失敗しておくことです。
やり方は必ずある。周囲の人の強みを見つけ、呼びかけ、協力をお願いします。

どの仕事や働き方が上だとか下だとか、勝ち組や負け組を区別するのではなく、どんな価値があるのか、どんなおもしろさがあるのかで見ていきます。

「得意だけど好きでないこと」を続けてしまうと、だんだんエネルギーが奪われ、自分が本当に好きなことに取り組めなくなってしまう。

迷った時にやるべきことは「原点に戻る」こと。そのために、有効なのが、「自分たちはそもそもどうしたかった? なぜ、これをやっているんだ」と、スタート地点を思い出させる質問をすることです。

どんな状況でも「自分に何ができるのか」を常に問いながら前を向く姿勢が大事です。
我慢せず、楽しくやることで多くの人を引き寄せます。

楽しいことにブレーキをかける「ちょっと待てよ」という思いこそ、疑いを持ちます。
自分の商品・サービスが本当にお客様の問題を解決できるのか、とことん考えてみます。

完璧を目指すことから離れた途端に、自分ができることの可能性は大きく広がり、無数のブルーオーシャンが見えてきます。

どんな分野にでも「今さらそんなこと考えないよね」と多くの人が思うところに、実は突き詰めてみると意外な発見がまだまだあります。

自分が楽しめてまわりも喜んでくれることをやっている。そんな人たちが評価され、お金を含めたエネルギーが集まるようになってきています。

(5)働き方デザインを常に進化させる

何に対しても年齢を物差しにしてしまう人より、年齢を気にせずにものを考え、行動できる人が価値を生み出します。

自己投資して得た知識や経験を、周囲に何らかの形で還元します。
お金と感動がセットになった新たなインセンティブが出現するだろう。

健康やQOLを向上させるために時間やコストを費やすことが、より自分の生き方、働き方を良くすることに、つながっていきます。

クリアな心身になると、それまであまり感じることのなかった「時間の豊かさ」を実感できる機会が増え、「時間は無限にある」とさえ思えるようになります。

「情報デトックス」する時間を毎日の中に、意識的に作り出します。そのことで、脳に余白が生まれて新しいものにも向き合えます。

(6)感想

働き方デザイン(自分を戦略的にデザインする)のノウハウが一杯詰まった本だと思います。働き方デザインを別の言葉で表現すれば、キャリア自律です。自分のキャリアは、自分で切り開いていくことだと思います。

働き方デザインで、著者はWork as lifeを提言しています。私は、ワークライフバランスのように仕事と人生(生活)をバランスするのでなくて、両者を統合するワークライフインデグレートの方が大切だと考えています。ワークとライフが統合した状態がWork as lifeだと捉えています。

Work as lifeでは、好きなこと自由に楽しんで仕事をいる状態(人生を丸ごと楽しんでいる)です。これを実現している人は、働き方デザインの達人です。彼らは、自分の感じていることを大事にし、その感情を行動のエネルギーに転換しています。

一般のサラリーマンでは、難しいことかもしれませんが、与えれた仕事を好きになるという発想転換をして、そのために何をすれば良いのかを考えるしかないと思います。

本書の中で印象に残った言葉は、「これからは、人生の質が問われる」です。自分の人生に意義を感じるかことができるかどうかということです。拙著では、「ある(有る)⇒なる(成る)⇒いる(意る)式の人生設計」と呼んでいます。この三つの視点で、自分の人生に問いかけることで人生を豊かにします。

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