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最強脳

著者 アンデシュ・ハンセン

久山葉子[訳]

発行 2021年11月20日 

(株)新潮社

精神科医

(1)もっと幸せな自分になる

脳には、自分にとって良いことをすると「ごほうび」をくれるシステムがあります。その時に、ドーパミンなどの化学物質が増加します。

運動をすることで、ドーパミンが出ます。これは、昔、人が生きるために食べ物を探したり、狩りをして頃の脳からのごほうびだったので、人が運動することは、良いことをしたとごほうびをくれるように進化したのです。

運動をすることで、ドーパミンの量が増えて幸せな気分になります。ドーパミンには、「何に注目し、集中すればいいのかを教えてくれる」働きがあります。

(2)イヤな自分とさよなら


運動をして心臓がドキドキすると、脳が危険を察知して、扁桃体(脳の警報器:アクセル)が働きストレス反応が起きます。

この動きに、ブレーキをかけるのが、海馬や前頭葉です。海馬や前頭葉を強くしてくれるのが運動です。運動をすることで体はストレスに慣れてきます。

運動をしていると、ストレスホルモンが少しずつ下がっていくので、以前ストレスを感じていたことが感じなくなります。

(3)サバンナ脳を取り戻す

私たちの脳は、サバンナで常に体を動かしていないと生きていけないしくみに適して進化してきました。

したがって、今の生活とは全く違った生活に合うようにできているので、サバンナ脳を取り戻すことが大切です。

私たちの脳は、現代のデジタル社会に追い付いていないのです。

(4)集中力をあげる

集中している状態を心理学では「フロー」と呼びます。集中力が最高に高まり、今自分がやっていること以外に何も考えられない状態をいいます。集中力も運動で高めることができます。

(5)発想力を豊かにする

発想には、発散的思考と収束的思考が必要です。運動によって強められるのは、前者に思考です。歩きながら考えるといいアイデアがでると言われています。

(6)ゲームが上手くなる

プロのゲーマーの体の中では、F1レーザーと同じくらいのストレスホルモンが出ていますので、ストレスに強い方が有利になります。

脳は、灰白質と白質に分けることができます。前者は、大脳皮質と呼ばれ高度な思考が生まれます。後者は、脳の様々な部分が上手くコミュニケーションを取れるようにしてくれます。

ゲーマーにとっては、白質の方が大切になり運動によって強化されます。

(7)記憶力を良くする

記憶は、いくつかの脳細胞がお互いにつながったものです。記憶には、作業(短期)記憶と長期記憶がありますが、海馬が大切な役割を果たします。

短期記憶が保存されるのが海馬で、長期記憶は、大脳皮質のあちこちに散らばっています。

海馬の短期記憶から長期記憶の移動を「固定化」(寝てる間に行われる)と呼ばれています。海馬が記憶に細かいタフをつけ、脳のあちこちに送り出します。

運動をすると、脳細胞間のつながりを強化する物質がより多く出ます。運動が新しい情報を受け取ったり、記憶を作ったりする準備を整えてくれます。

(8)感想

この本の結論は、最強脳に自分の脳を鍛えるためには、体を動かすこと(運動)をするということで、単純かつ明確です。脳が運動によって強くなります。

脳を鍛えるというと、普通は脳トレをイメージします。運動することに効果があるいうのは意外に感じましたが、脳科学で実証された脳のしくみから説明しているので説得力があります。

脳のしくみ(第7章参照)を上手く利用しながらスマホ脳ではなく最強脳になるように、運動をして脳を鍛えたいと思います。年始早々に拝読して、一年の計とするいい機会になりました。

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