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自分を育てる方法

著者 中竹竜二

ディスカヴァー・トゥエンティワン

2022年1月30日 第1刷

(株)チームボックス 代表取締役

(1)「ありのままの自分」で生きよう

自分自身がどんな人間で、何が好きで、何を得意としているのか。偏りのない目線で見つめながら、「ありのままの飾らない自分」で無理なく楽しく力を発揮できる状態をキープしていく。

これが、正解のない時代をしなやかに生きるための心構え(セルフリード)です。
セルフリードとは、自分で自分を育てる力のことで、意識的に身につけたい力は、以下の3つです。

❶自分を知る力(自己認識)
❷自分を導く力(主体性)
❸自分を支える力(自己承認)

この三つの力を磨いていくと、自然と自分らしい”スタイル“へと近づいていきます。

(2)「自分を知る力」を育てよう

❶自分の「好き」を知る(内的自己認識)
日常生活から好きなこと探しを始めます。好きを起点にした行動を積極的に取っていくことを意識して生活します。

「貴重で嬉しかった体験」を思い出して、その体験を選んだ理由が自分が大切にしてきた価値観になります。

❷自分の「弱み」を知る(内的自己認識)
リーダーには、自分の弱さを知り、さらけ出せる(完璧でなはない自分をさらけ出す)という資質が必要です。

ネガティブな感情は、ポジティブな感情のタネになります。怒りがあるからパワーが生まれます。恐れがあるから、注意深くなれます。

自分の弱みやコンプレックスを感じたら、見方を変えて強みの表現にしてみます(人には強みも弱みもない。あるのは特徴だけだ)。

❸上手にフィードバックを受ける(外的自己認識)
何のために、誰に、何を聞くか、具体的にイメージしながらフィードバックを受けます。

自分をどう理解してもらえるかは、その人の関係によって変わります。

内的自己認識(想定回答)と外的自己認識(実際の回答)のギャップをどう埋めていくかを考えます。            

(3)「自分を導く力」を育てよう

主体性とは、自分自身の頭で考えて「これをやるべきだ」と選んだ行動に取り組もうとする姿勢です。自らの責任で生きるしなやかさを身につけることです。

自らを導くのは自分の未来です。未来の自分をイメージします。
ニーチェの言葉で言えば、「過去が現在を作っているように、未来も現在を作っている」。

未来の自分を描こうとするときに、「未来志向の言葉」によってイメージを膨らませます。例えば、「期待」という言葉を使うだけで、そこには成長の可能性を含めたニュアンスが生まれます。

成功した未来を仮定した「フューチャーインタビュー」をしてみます。

「1分後の未来」を決めることから始めます。1日を小刻みに分割して何度でもリスタートする練習をします。

(4)「自分を支える力(自分を受け入れる力、認める力)」を育てよう

人を癒してくれる最大の栄養は「関心」です。誰かから関心を持たれているという感覚があれば、自分の存在を認められたと感じることができます。

承認を常に誰かに求めるのは不確実性が高いです。自分で自分をきちんと受け入れて、認める「自己承認」が大切です。

自己承認には、以下の4つのステップがあります。
❶存在承認
 存在そのものを認めます。挨拶が非常に効果的な存在承認のアクションです。
 毎日、自分に挨拶&どんな1日にするか小さな宣言をします。

❷行動承認 
実際に取り組んだ行動を、自分で確かめながら認めていく。いわゆる「ふりかえり」というアクションです。

「内容・感情・姿勢」の三つの視点で振り返ります。
人のパフォーマンスは感情に大きく左右されます。
感情にひもづく「姿勢」なら、自分の意志次第で変えることができます。

❸成果承認 
小分けした成果で自分を認められるようにします。達成のハードルを下げて、今日の成果の自己承認をしやすくします。

❹成長承認
成長とは、過去のある時点から現在に至る時間の中で生まれます。時間軸に沿った変化を図るものです。

「ものごとの捉え方」の視点をより多様に豊かに充実させていくほどに、人間性も豊かになり、成熟していきます。

(5)セルフリードの土台となる「学び続ける力」を育てよう

学び続ける力とは、自ら変わろうとする力です。大人が生涯成長し続けるための必要な力です。

自分軸と他人軸を行き来して成長します。
人間成長は、以下の発達段階を辿ります(成人発達理論)

第1段階「具体的試行段階」(自分軸)⇒第2段階「自己中心型」(自分軸)⇒第3段階
「他者依存型」(他人軸)⇒第4段階「自己主導」(自分軸)⇒第5段階「自己変容型」(他人軸)

自己変容型の成長まで達している人たちの共通点は、ものごとに対する見方や価値観を固定化せずに、積極的に手放して、新しい価値観を構築できます。この姿勢をアンラーニングと呼びます。

(6)セルフリードのセンスを磨く8つのヒント

❶「石の上にも3年」の呪縛にサヨナラ
➡3年の根拠がわからない。トライ&エラーを3回繰り返すならわかる。

❷夢を持たずに働く「万華鏡型キャリア」のすすめ
➡遠くの星を追いかけるのではなく、偶然の出会いが思わぬチャンスを生む

❸「下積み期間」が持つ本当の意味
➡下積みに特定の期間は存在しない。一生続くもの。

❹「目標を決められない」と焦るときに持ちたい3つの視点
➡過去の自分研究に集中してみること。主語を変えてみること。目標は一つに絞らなくてもよい。

❺フラット化する組織での出世コースとは?
➡誰かの後を追って目指す出世コースに変わるものは、発展的キャリアである。

❻「心地よい」は、転機のサイン
➡本当の成長を目指すならコンフォートゾーンを飛び出す(越境体験)

❼「やるからには成功する」必要はない
➡成功ではなく成長を求める。その成長も小さな進捗(成長のエンジン)の積み重ねでいい。

❽自分への期待は捨てた方がいい
➡自分への過剰な期待を捨てると、すべてをポジティブに受け止められるようになる。

(7)感想

成長発達理論から言えば、第3段階の他者依存型かもしれない。他者の期待に応える気持ちが強く、自分を見失う時がしばしばあると自己認識した(内的自己認識)。

そのような時には、本書にあるように、自己承認をして自分を受け容れる力を付けていきたいと思います。

そのためには、自己肯定ではなく自己受容することが大切だと思います。自己受容とは、
自分の存在そのもの(being)を受け容れること、自分をあるがままに受け容れることです。

本書の行動承認で言えば、感情の視点で振り返って、自分が感じていることを受け容れることになります。

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