本書は、アドラー心理学の教えをキャリアデザイン形成に展開し、著者独自の経験知とユニークさを交えながら今後を生き抜く処世術が書かれている。コンセプトは、「Beyondコロナ時代に向けて、新しい（本来の）自分、新しい生き方を発見すること」である。
　人生百年時代の人生の課題は、働き方、生き方、学び方をリデザインすることだと捉えている。この課題に対して、「しゅうかつ」（就活、習活、充活）という３つの観点からアドラーの教えをどのように実践すべきかを提言している。
　就活では“ブレない自分軸をつくる”、習活では“社会が求める人財になる”、充活では“人間力を磨きより良く生きる”をテーマに、アドラーの教えが丁寧かつ実践的に図解とともに解説されている。また、それぞれにおいて、もしこの「しゅうかつ」をアドラーが行ったとしたらどのようなキャリアになるのかを著者自らが演じており、より身近にアドラー心理学を学ぶことができる。
　そして、この「しゅうかつ」をベースに新しい生き方として、ある・なる・いる式の人生設計を提言している。
　本書は、大学生から若手・中堅、そしてシニア社員など幅広い層に向けた多角的な視点での提言となっており、アドラー心理学の考えを十二分に学ぶことができる。先の見えない時代に対して自らをリデザインしていく勇気を与えて頂いた。人の問題に悩む経営者を支援する時のヒントになるので皆様にぜひ読んでいただきたい一冊である。(著者は東京都中小企業診断士協会会員）

　書評を投稿していただいた先生は、宮城県中小企業診断士協会会員の石澤友則さんです。石澤先生は、山形県在住とお聞きしまた。山形は、8年間、関係会社に出向した地であり、今では、「第二のふるさと」と思うほど懐かしい土地です。今回、このような縁をいただき感謝しております。